祭りの後の寂しさ

kubogon

2011年09月26日 09:17

こいこい祭りが終わった。

祭りが終わるとなんだか力が抜けて、秋を受け入れる気持ちになるから不思議だ。

山中温泉のこいこい祭りは、中学の同級生が本陣という仮説テントを組み、そこで一日飲み明かす。

同級生だから吐ける本音がある。グチも少し出る。

そろいの法被を着て昔の自分たちを少し取り戻す日だ。



今年は従弟のくにおう君が初老で、神輿担いで餅まきしていた。

見に行ったら、すでにベロベロ。祭りの間、町の男衆の殆どが酔っ払いだ。



夜に自分の本陣で飲んでいると、酔っ払った同級生の一人がこうつぶやいた。

「おまえの母ちゃんはほんとすごい人やった。」

彼の母と俺のお袋は友人で同じ夜金庫仲間だったのだ。

「俺が進路で迷っていたとき、一番本気で心配して叱ってくれたのがお前の母ちゃんだった。」

「うんうん。すごい人やった。俺もいまだに超えられん。」と俺。

「お前んちにいつ行っても飯食わせてくれたしなあ。」と周りのみんなも言う。少ししんみりした。

いつもならこいこい祭りにお袋が柿の葉寿司を作って差し入れてくれるのだが、そのお袋も今はいない。

今年はかみさんと妹が代わりに作って差し入れてくれた。味はきちんと引き継がれていた。



いろんな人と祭りで会う。昔の教え子が大人になってそこにいる。化粧も上手くなっている。

とあるお母さんから「息子が東北大に入れたのは先生のおかげだ、あの塾に行ってなかったら今の自分はない、と言ってました。本当にありがとうございます。」と頭を下げられた。

こんな風に言っていただけるのが一番の幸せだ。人を作るのはモノを作るより難しい。

知り合いの外人さんたちが祭りに遊びにきたので、初老の本陣へ連れて行き、おでんと酒を振る舞った。

フランス人にアメリカ人、カナダ人にイギリス人、みんなでおでんをつつき、山中節で踊った。



二日間祭りは続き、そして終わった。

祭りの後はいつも寂しい。

露店は売り残しを作らないように半値でモノをさばいていた。



昔に比べればかなり規模も小さくなったが、やはり祭りはいつもハレの場だ。

来年また同じ思いでこいこい祭りを迎えることだろう。


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