朝起きたら、少し腹が減っていたので、朝食を探しに街に出た。
ホテルのある西門街は原宿みたいなところで、あまり屋台はない。
朝に開いている店も少なく、やっと探しに当てたのは饅頭屋。
肉まんみたいなもの。中に高菜が入ったのもある。
三個買って帰ろうとすると、おばさんが何か汁みたいなものを指差し、買えみたいなことを言う。
饅頭につける汁みたいなものかと思い、お願いすると、お椀に入れてくれた。
もう持ち帰れない。店先で食べることに。
もうひとつおばさんが買えと言ったものはデザートみたいだったので、それも頼んだ。
食べてみて驚いた。
最初の汁はあずきの入ったぜんざい。それもぬるい。
もうひとつはキクラゲの大量に入った味のしないもの。
饅頭は美味かったが、この二つは要らんかった。
饅頭だけ食べて退散。
今日はお楽しみの九?に行く日。
ネットで調べたら、この西門駅から数駅先の駅でバスに乗るといいらしい。
やっと台湾のMRTという地下鉄も慣れてきた。
漢字表記なので、分かりやすい。
その駅で降りてバス停探していると、八人乗りくらいのクルマに、九?、40分と書いてある。
値段を聞くと200元。バスの倍だが、速いし、すぐ乗れるので、これにした。
日本人は誰もおらず、周りは白人と謎のアジア人。
ちゃんと時間通り着いたが、いきなりの土砂降り。
細い石畳道を降りていくと、左右にいろんなお店がある。
どれもこれも興味深いが、雨が酷くて、のんびりしていられない。
せんと千尋の舞台となった店でお茶セットを頼む。
300元。そこそこ高い。日本円で1000円。
のんびりお茶して、雨がやむのを待つも、激しくなるばかり。
仕方なく、外へ出てみた。
折からの強風に、傘が裏返ってしまい、ホネも折れてもうおしまい。
傘なしでは歩くことも困難なので、早々に下まで降りてタクシーを拾う。
びしょ濡れの衣服をホテルの乾燥機で乾かしてから、再度お出かけ。雨は小降りに。
今度はエビ釣り場だ。台湾の人たちも面白いと薦めてくれた。
ネットで調べたら、故宮博物館の近くらしい。
なんだ、昨日立ち寄れば良かった。
MRTで士林まで行き、そこからタクシー。
釣りに関しては気合いが入る。
とある日本人のブログには、一時間で五匹釣れればいい、と書いてあった。
こちとら素人じゃあるまいし、多摩川でテナガエビ釣ったこともあるし、そんなレベルじゃ満足できない。
いよいよ釣り開始。エサはなんと生のレバー。
それをカッターで小さく切り、針に付ける。
ウキの下に針が二本付いたシンプルな仕掛け。
二時間で500元なり。値段は相応だな。
まずプロとしては、タナを測ることから。
タナが合わないとサカナは釣れない。
借りた竿を水槽に尻から突っ込み、水深を測る。
そしてウキ下の調整。
レバーを細かく刻んで釣り開始。
左隣は台湾人の女性二人。太目でメガネ。
右はミニスカの女の子とその彼氏。やはり台湾人。
周りを見ていると、そんなにバコバコ釣れているわけではない。やはり一時間に五匹ペースなのか。
ウキをジッと見つめていると、微かなアタリ。
ここで慌ててしゃくっではいけない。ハサミで挟んでいるだけ。
アタリから心の中でゆっくり30ほど数えてから引く。
そんなに強く引かなくてもいい。
軽くこんと合わせると、ずんと重い手応え。
逃げようとするエビ。かなりのヒキの強さに驚く。
釣り上げると胴長20センチはある立派なテナガエビ。
これを網にいれるのだが、両手のハサミをもぎ取れ、も書いてあった。
もぎ取ろうとして、しっかり挟まれた。痛い。
でも両脇が女性なので、ガマンしてもぎ取る。
あっと言う間に三匹釣り上げる。
その間、両脇はゼロ。
不思議そうにガン見する左の女性たち。
右のカップルは釣れないので、場所移動。ああミニスカ。
しかし、面白い。台湾に来てこれが一番楽しいかも。
日本でやらないのかな。鯉釣りなんかより面白いのに。
結局、二時待たずして15匹も釣れたので、納竿。
これを水道で少し洗い、串刺して、塩振ってからグリルへ。
焦げ色がついたところで、取り出し、醤油付けて食べる。ついでにビールも。
ああ、美味い。これも台湾で食べたもので一番美味いかも。エビだけで腹ふくれる。
それからタクシー拾い、士林夜市へ。
マンゴーのカキ氷をかわいいお姉ちゃんに勧められ、頼んだらバカでかい。丼ニハイほどあるか。
半泣きで食べるも、三分の一残してギブアップ。
エビとビールとマンゴー。
部屋とワイシャツと私、みたいだ。
そしてホテルにもどり熟睡。
台湾、面白いぞ。
これで三日め終了。