いやあ、昨日の酒は美味かったなあ。
上原先生とずっと「良かった、良かった。」と言い続けていた。高校入試、生徒全員合格。13年目で初めてのことだ。
正直、今年の中3はいろいろ問題の多かった学年で、学力も例年よりも低く、心配し通しの日々だった。
だから何度も半日補講したり、居残り特訓したりした。
受験にはいろんなドラマもある。
うちの塾は安全策とか妥協とかいうことが大嫌いな塾で、多少危なくても行きたい高校を受けることを薦める。
わずか15歳のときに、夢を諦めることを教えてはならないと思っているからだ。
だからチャレンジ受験して落ちる生徒も例年数人はいる。それはそれでよし。みんな落ちた後も頑張って、大学でリベンジして報告に来てくれる。
中には合格請負人みたいな塾もあるけど、俺はそんなことのために教えているのではない。世の中に出てタフに人生を楽しめるような人間力をつけるために教えているんだ。
ある女生徒は、入試直前に友人だと思っていた子から「あなたみたい成績では合格はムリ。」とダメだしされ、泣きながら、相談にきた。「先生、わたし、落ちるんですか。」と。
「俺は君の力は十分に足りていると思う。自信を持って受けてきなさい。いつも通りの力を出せれば、確実に受かるから。泣いていても何も変わらない。そんな暇あったら、一問でも問題解けばいい。」
その子の合格を聞いたとき、お母さんは涙ぐんで小躍りしたそうだ。祖父母も泣いていたとのこと。
そう言えば、俺の高校受験のときも祖母が発表見に来て、泣いていたなあ。
頑張った人間には周りを幸せにするチカラもある。
志望校の倍率が高いので、ワンランク下げたらと親に言われたとショックを受けて相談に来た子もいた。
早速お母様にメールして、「一番大切なことは背中を押してあげることです。本人と私を信じて受けさせてあげてください。」と伝えた。
その子は昨日お母様と一緒に満面の笑みで報告に来てくれた。
中2の終わりまでBクラスだった生徒は、「先生、小松高校に行きたいんです。」と本気の目で俺に訴えた。
お母様のみのご家庭で、母親を幸せにしたいと本人が俺の言葉で自覚したらしい。すぐにクラスをAに上げた。
それからの彼は一切の妥協なく、勉強に取り組んだ。成績はうなぎ昇りに上がり、ついにT中でトップを取った。
納得いかないところはとことん質問に来た。そんな彼も小松の理数科に合格した。それも塾内最高得点で合格。
良かった、本当に良かった。親孝行の息子には自分を投影してしまう。(笑) 今後も期待しているぞ。
40人の生徒に40人のドラマがある。今年は全てのドラマがハッピーエンドで終わった。
こんなに嬉しいことはない。一人でも落ちれば、かなりヘコむ。今年はそれがなかった。
さあ、今夜は合格祝いのカラオケ大会だあ。またも炸裂するチューチュートレイン。
みんなで盛り上がろうぜ!