2013年03月22日
警察なんて怖くない?
さっきすごい光景を見た。
娘を駅まで車で送っていった帰り、松が丘の長い坂道をスーツ姿で駆け下りてくる若い女性がいた。
結構な幅のストライドで陸上部のように駆け下りていく。顔はひきつっていた。
驚いたことに両手にヒールの高い靴を持ち、パンストだけの裸足で全力疾走していたのだ。
確実にパンストの足の裏の部分は穴が開いているだろうに。
一瞬乗せてやろうかとも思ったが、そのやりとりの間に電車に乗り遅れてしまっては申し訳ないので、「頑張れ。」と心で祈って見送った。
きっと今日は大事な就職の面接でもあるのであろう。
こんな石川の田舎では電車一本乗り過ごすと次まで1時間は待たなければならない。確実に遅刻してしまう。
寝坊して慌てて走り出したのであろう。送ってくれる人もいないってことは一人暮らしか。
いろんなことを妄想しながら、いま帰って珈琲飲んでいる。
さて、お待たせした後日譚であるが、その便所呼び出し事件から一週間ほど経ったときのことである。
中学から帰宅すると、なぜだか母がニヤニヤ笑っている。
「まさひろ、警察から電話があって、今から駅のそばの警察署まで来てくれってよ。」
「えっ。何? なんで警察が。」
「知らんわ。はや行っといで。」
顔が少しこわばり、足がちょっと震えていた。ああ、何がバレたんだろう。
とりあえず自転車に乗り、警察署に向かった。どんどん膨らむいやな予感。
今までロクなことはしていこなかった。無免許でスーパーカブを友人と乗りまわしたり、旅館の女風呂覗いたり、友人ちで酒飲んだり、賭けマージャンしたり、いろんな悪さをしてきた。
かなりビクつきながら、警察の扉を開けるといかつい制服を着た警官がこちらへ来なさい、と言う。
ああ、やはり取り調べ室だ。こうなったら早く白状してしまおう。
「あのお、俺なんで呼ばれたんでしょうか。バイクの件ですか。」
「バイク?バイクがどうかしたのか。」
ああ、危ない。これじゃなかったらしい。
「いや、親戚のバイクがいたずらされたって・・・。えーっと、金沢に映画見に行った件ですか。」
その当時、「エマニエル夫人」というソフトポルノが流行っていて、それは高校生以上対象だったのだが、友人と高校生です、と偽って見に行ったのだ。窓口で坊主アタマを見とがめられたが、体の大きかった俺たちは「星稜高校野球部です。」と嘘をつき、見事見ることができたのである。あれはすごい興奮だった。
「いや、別にそんなことで呼んだわけじゃないよ。」
あれこれ考えを巡らせ、先に正解を出そうとする俺に、その警察官は笑って言った。
「久保田くん、そんなに心配しなくてもいいよ。君は被害者として事情聴取されるだけなんだから。」
ああ、なにい。俺は被害者か。やべぇ、いろいろ話してしまうところだった。
「この間、学校で先輩に叩かれたらしいね。あの時のこと詳しく教えてくれるかな。」
おおっ、あの件で警察が動いたのか。これは天が味方したくれた。
「はいはい、何でも話します。かなりひどくやられました。」
その時いた先輩の実名とされた行為を3倍増しにしてしっかりと警察にチクった。
最後に調書にサインして帰宅。
「どうやった?」と帰宅した俺にほくそ笑む母親。どうやら事情を知っていたらしい。
「いや、先輩にやられたこと聞かれただけや。」
そのままトントンと二階へ上がり、いつものように小説読んだ。
その翌日、中学では朝から中3対象の集会が行われた。
聞き耳立てていると、校長がこう言った。
「下級生に暴力をふるった生徒がこの中にいる。まことに情けないことだ。今後もしこのようなことを耳にすれば、その生徒の内申点はゼロにしてやるからな。つまり高校へ行けないってことだ。」
おおっ、さすが校長。ナイスな発言。これで卒業式までのんびり過ごせる。
その後、俺たちはかなり偉そうに校内を歩きまわることになった。
俺たちをシメた先輩たちは苦虫を噛み潰したような顔で見ている。
一度またやられそうになったが、「内申点ゼーロっ!」と叫ぶとしぶしぶ離れていった。効果テキメン。
ということで、この一連の事件は幕を閉じた。
前回この話を書いたとき、俺たちの少し上の先輩から、「あれは悪い風習だったから、俺たちもやめようとしたんだが。」とコメントいただいた。やはりかなり前から続いたいたようだ。
最近の中学ではこんな話を聞かない。ある意味ワルイ奴らは陰に隠れて悪さするようになってしまった。
分かりやすい不良があちこちにいて、番長なんて言葉もまだ生きていたあの頃が懐かしい。
ということでリクエストがあったので、後篇も書きました。お楽しみいただけたでしょうか。ww
写真はフィリピンで乗ったアウトリガー。
娘を駅まで車で送っていった帰り、松が丘の長い坂道をスーツ姿で駆け下りてくる若い女性がいた。
結構な幅のストライドで陸上部のように駆け下りていく。顔はひきつっていた。
驚いたことに両手にヒールの高い靴を持ち、パンストだけの裸足で全力疾走していたのだ。
確実にパンストの足の裏の部分は穴が開いているだろうに。
一瞬乗せてやろうかとも思ったが、そのやりとりの間に電車に乗り遅れてしまっては申し訳ないので、「頑張れ。」と心で祈って見送った。
きっと今日は大事な就職の面接でもあるのであろう。
こんな石川の田舎では電車一本乗り過ごすと次まで1時間は待たなければならない。確実に遅刻してしまう。
寝坊して慌てて走り出したのであろう。送ってくれる人もいないってことは一人暮らしか。
いろんなことを妄想しながら、いま帰って珈琲飲んでいる。
さて、お待たせした後日譚であるが、その便所呼び出し事件から一週間ほど経ったときのことである。
中学から帰宅すると、なぜだか母がニヤニヤ笑っている。
「まさひろ、警察から電話があって、今から駅のそばの警察署まで来てくれってよ。」
「えっ。何? なんで警察が。」
「知らんわ。はや行っといで。」
顔が少しこわばり、足がちょっと震えていた。ああ、何がバレたんだろう。
とりあえず自転車に乗り、警察署に向かった。どんどん膨らむいやな予感。
今までロクなことはしていこなかった。無免許でスーパーカブを友人と乗りまわしたり、旅館の女風呂覗いたり、友人ちで酒飲んだり、賭けマージャンしたり、いろんな悪さをしてきた。
かなりビクつきながら、警察の扉を開けるといかつい制服を着た警官がこちらへ来なさい、と言う。
ああ、やはり取り調べ室だ。こうなったら早く白状してしまおう。
「あのお、俺なんで呼ばれたんでしょうか。バイクの件ですか。」
「バイク?バイクがどうかしたのか。」
ああ、危ない。これじゃなかったらしい。
「いや、親戚のバイクがいたずらされたって・・・。えーっと、金沢に映画見に行った件ですか。」
その当時、「エマニエル夫人」というソフトポルノが流行っていて、それは高校生以上対象だったのだが、友人と高校生です、と偽って見に行ったのだ。窓口で坊主アタマを見とがめられたが、体の大きかった俺たちは「星稜高校野球部です。」と嘘をつき、見事見ることができたのである。あれはすごい興奮だった。
「いや、別にそんなことで呼んだわけじゃないよ。」
あれこれ考えを巡らせ、先に正解を出そうとする俺に、その警察官は笑って言った。
「久保田くん、そんなに心配しなくてもいいよ。君は被害者として事情聴取されるだけなんだから。」
ああ、なにい。俺は被害者か。やべぇ、いろいろ話してしまうところだった。
「この間、学校で先輩に叩かれたらしいね。あの時のこと詳しく教えてくれるかな。」
おおっ、あの件で警察が動いたのか。これは天が味方したくれた。
「はいはい、何でも話します。かなりひどくやられました。」
その時いた先輩の実名とされた行為を3倍増しにしてしっかりと警察にチクった。
最後に調書にサインして帰宅。
「どうやった?」と帰宅した俺にほくそ笑む母親。どうやら事情を知っていたらしい。
「いや、先輩にやられたこと聞かれただけや。」
そのままトントンと二階へ上がり、いつものように小説読んだ。
その翌日、中学では朝から中3対象の集会が行われた。
聞き耳立てていると、校長がこう言った。
「下級生に暴力をふるった生徒がこの中にいる。まことに情けないことだ。今後もしこのようなことを耳にすれば、その生徒の内申点はゼロにしてやるからな。つまり高校へ行けないってことだ。」
おおっ、さすが校長。ナイスな発言。これで卒業式までのんびり過ごせる。
その後、俺たちはかなり偉そうに校内を歩きまわることになった。
俺たちをシメた先輩たちは苦虫を噛み潰したような顔で見ている。
一度またやられそうになったが、「内申点ゼーロっ!」と叫ぶとしぶしぶ離れていった。効果テキメン。
ということで、この一連の事件は幕を閉じた。
前回この話を書いたとき、俺たちの少し上の先輩から、「あれは悪い風習だったから、俺たちもやめようとしたんだが。」とコメントいただいた。やはりかなり前から続いたいたようだ。
最近の中学ではこんな話を聞かない。ある意味ワルイ奴らは陰に隠れて悪さするようになってしまった。
分かりやすい不良があちこちにいて、番長なんて言葉もまだ生きていたあの頃が懐かしい。
ということでリクエストがあったので、後篇も書きました。お楽しみいただけたでしょうか。ww
写真はフィリピンで乗ったアウトリガー。

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